あこがれる大人の男「仮面ライダー響鬼」

独特なカメラワークと映像の演出に興味をそそられ、ついつい物語の中に引き込まれてしまいます。

響鬼は音で戦うライダー(?)という事もあったせいか、ミュージカル仕立てのシーンが有りましたが私は中々なじめず、なれるまでに少々時間を要しました。

話数が進むにつれてミュージカル仕立てのシーンは、減っている印象です。

たまに登場人物が口ずさむ耳慣れた、動揺の替え歌が登場する程度になっていましたね。

「和」のテイストを基調としたシリーズとなっているので、筆字のカットが挿入されたりなど色々新しい試みが見られます。

鬼達のスーツのウエスト付近、うまい事ふんどしっぽいのが取り入れられていたり、じっくり見ていると新しい発見があります。

オッサンライダー、余裕のある男性が主人公という事で安心してみていられます。

若さとエネルギーがあふれる仮面ライダーもいいですが、父性や兄貴の存在を感じられる良い作品だと思います。

主人公の明日夢君が母子家庭で育った設定で、一層大人の男性の大きな背中が強調され、そんな大人にあこがれる少年の心が際立っています。

OPが無かったりEDが激渋だったり、様々な角度から攻めている作品だと感じます。

平成ライダーのスーツのカッコよさはそれぞれですが、この響鬼は秀逸ですね。

かっこいいを通り越して、美しいです。

また、スーツアクターの伊藤慎さんのキレのあるクールな身のこなしとマッチしていて、美しさが増します。

鬼をサポートする為に魔化魍の情報を記録してくるディスクアニマルが数種類いるのですが、これがかわいいんですよ~。

じっくりと進んでいく穏やかな物語は勇ましくもあり、優しくもあり独特な雰囲気です。

縦の関係がしっかりしているにもかかわらず、迷惑をかけたりすると自部により目下であってもきちんと謝るとか、ごくごく基本的な子供たちに学んでもらいたい描写があります。

子供だけではなく、大人も学んでもらいたい方は沢山いますね(笑)

登場人物たちの日常が余裕をもって描かれているので、ちょっとしたホームドラマを見ているみたいです。

色々あったという仮面ライダー響鬼ですが、確かに30話から明日夢君のナレーションなくなりましたし、微妙に変わっていますね。

今までの雰囲気を壊さないようにさりげなく変更されていると感じました。

終わりかたが良かったわ~。

じんわりあたたかくて、良いラストでした。年齢は離れていても男として、人として互いに認め合っていく姿は美しいですね。

鬼としての弟子ではないところがポイントですよね。きちんと明日夢の気持ちを受け入れ、人として対等でありながら人生の先輩として、師匠としてふるまうってかっこいいじゃないですか。

ヒビキは初めから気づいていたけど、明日夢自身も人としてのヒビキにあこがれていたことに気づいて、ヒビキはそれをきちんと受け入れてくれるんですよね。海のように大きな心で。大人の男って感じです、まさに。

中々言えないですよ「ついてこい」だなんて。人としてよほど鍛えていなければ、そんな勇気ある発言はできません。

大人であるのに悩んだり悔しかったり、弱かったり・・・、しかしそのカッコ悪い所をきちんと見せるところが、またかっこいいんです。

戦闘シーンや魔化魍たちとの戦いの結末が尻切れトンボでしたが、私はそちらをメインにしてみていなかったので、良いしめくくりだと思いました。

仮面ライダーとしているけれど仮面ライダーじゃない仮面ライダー響鬼。でも、私は良い作品だと思いましたよ。