10股男をめぐる悲喜劇を描いた不倫コメディ「黒い十人の女」

2016年に読売テレビ系で放送された「黒い十人の女」は、バカリズムさんの脚本と豪華な女優陣の共演が話題になったドラマです。
船越英一郎さんが演じるドラマプロデューサーの風松吉は、妻がいるにもかかわらず9人もの愛人をもつ10股男。
松吉をめぐる正妻と愛人の合計10人の女たちの、奇妙で複雑な恋愛模様が描かれています。
不倫といえば陰湿で深刻なイメージですがこのドラマは不倫コメディ。
軽妙でシニカルな笑いが散りばめられた絶妙な脚本には、シリアスなイメージは全くないのです。
女優さんたちの体当たりの熱演がすさまじく、跳び蹴りや殴り合い、豪快なブレーンバスターをキメるなどズタボロになるまで、女同士が拳と拳を合わせて戦い。正妻と愛人たちがいつのまにか友情を深めていく展開は思わず笑ってしまうシーンが多く、不倫を描いているドラマと忘れてしまうほどです。
熱い絆で結ばれていく10人の女たちは、やがて自分たちを不遇な目にあわせている松吉を殺すことを画策し始めます。
女たちの殺人計画は成功してしまうのか、ハラハラドキドキのシリアス展開の中にも思わず吹き出すお笑いシーンがたっぷり、最後まで目が離せないのです。
このドラマは女性陣の活躍が目立ちますが、松吉役の船越英一郎さんの存在感も見逃せません。
サスペンスドラマのシリアスな演技は、パターン化した印象があったのですが、このドラマでは10股をかける最低な男なのに、なぜか憎めないキャラクターを好演されています。